子どものころに住んでいた家

小学校高学年のとき、両親が家を建てて引っ越しました。それまで古い団地に住んでいたので、新築の一戸建てが嬉しくて仕方ありませんでした。私の部屋は二階の東南の角部屋。夏になると朝日で東の雨戸が焼け付くように熱くなり、寝ていられなくなったものです。南向きの部屋は暖かく、それまで鼻炎だった私も丈夫になりました。
両親は家を建てるのにかなり無理をしたようで庭にまで手が回らなかったと見えて、長いあいだ庭は木の一本もない空き地のようでした。あまり格好のいいものではありませんでしたが、私は食べたビワの種など埋め、芽が出たら育てたりして楽しんでいました。
この家で、小学生から二十代後半で結婚するまでの二十年間を過ごしました。もう家を出てから同じくらいの年月が経ち、近所の顔ぶれも変わりました。帰ろうと思えばいつでも帰られる距離に住んでいるのですが、一年に一度行くかどうかになっています。今でも部屋は、本棚や整理たんすなど、そのまま残っています。